まさに再びそんな理由の溜め息を零せばだ、

「でも、ま、巴も人並みに性的な好奇心があるのは分かったけどさ」

「ん?」

「それを誰かと追及しようとしなかったのはやっぱりその性質が理由?」

「まあね。そうそう吐季みたいな変人はいないって事。周りを見れば可愛らしい女の子に溢れてる中で、ワザワザ俺に恋愛フィルター向けないでしょ。ましてや、色恋に多感で興味が強い頃なら誰だって明確に異性を感じる姿を求めるじゃない?」

「そうだろうな」

「今が真っ盛りな同年代の男子に自分を恋愛対象に見てくれって言うのが難しい話だし、かと言って自分を曲げて作ってまで恋愛したり、ましてや性への興味を解消したいわけじゃない。誰とでもいいわけじゃないし」

そんな感覚でいたら21歳の今現在まで未使用品な自分なんて事態は必然だろう。

もうすぐで22年になりそうだけど。

それに悲観も無ければ羞恥も気後れもない。

問題があるとしたらいざ事を為そうという時の相手のこの事実の受け入れ具合と言うくらいで。