心底飢えていたように、重なる瞬間から口内に入り込んできた舌先には自ら絡まりに行って顔を寄せた。
口を塞がれたいなんて言ったけれど、ウブな女の子の様にされるがまま受け構える様な可愛い自分じゃない。
上から塞がれたような形でも貪欲に下から貪り返してやる。
抱きしめにきた体は逆に捕まえたと言わんばかりに抱きしめ返して。
更にはまだ足りぬと逃さぬように体の密度を増して見せるのだ。
お互いにお互いを貪るような口づけをしばらく。
当然この光景を捉える行すがりの人たちには男同士がいちゃついてるようにしか見えてなかったんだろうけど。
「はっ……本当、最高なんだけど?真昼間なのに下半身こんなに煽ってくれちゃって、どうしてくれんの?」
先に唇を離したのは吐季の方で、それでも自分を見下ろす双眸は相も変わらずギラギラと欲求を揺らしているのだから笑ってしまう。
それでも、多分見上げている自分も吐季の目からは似たり寄ったりな物なんだろうけど。