一体何がどうした?
あれ?間違って巴ちゃんな格好で来てたわけじゃないよな?と軽く混乱を起こすほどに、目の前の吐季さんの姿は巴ちゃんとして見ていたもので。
今だってそうだ、未だに呆けて対応に困っているこちらを方眉を下げてククッと笑う。
いやいやいや、何がそんな面白いんだ?
ってか、『あと、君ね』ってどんだけオヤジな……
「っ…ん____!!!」
あ、思考停止した自分の耳にまわりの悲鳴が激しく黄色い。
『嘘っ!!』とか『やだっ!!』とか、否定的な言葉の選別なのにその色は完全なるピンク色に感じる。
でも、ようやく思考が追い付けばだ、『嘘』も『やだっ』も自分の衝撃の代弁だ。
だって……、『嘘っ!』吐季さんとキスしてる!!『やだっ!』結構ディープ!!
呆けている間に不意に伸びてきた吐季さんの手には気が付いていたのだ。
でも何をされるかなんて全く見当もついておらず、『何をしているんだ?』なんて思った刹那には大きな掌が後頭部を覆い、強引な力で引き寄せられ食らいつかれたという流れ。
そして今もまだ継続。
押し重なってきた唇は最初から貪るような動きを見せて、キスをされたなんて意識が追い付くころには唇を押し割った舌先が自分の口内をこれでもかと荒らしていたのだ。