過去 • 出会い編





私が先生と初めて出会ったのは、青い空が透き通って見える日の学校の屋上だった。










あの時、私は一緒に校舎の中を見学していた友達とはぐれていた。
でも、学校全体を見回せる屋上なら、友達が探せるかもっ!と思い

屋上に上がった瞬間(とき)の事だった。






1人、すごく綺麗な顔立ちの高身長のメガネの男性が本を読んでいることに気がついた。



(あ、あの本、、、この間の。
しかも、綺麗な顔立ちの人だな。)




メガネの男性が読んでいた本は、私が最近
気になって買いたかった本。
《恋する瞬間》と言う本のシリーズを読んでいた。







私は思わず、自分の好きな小説のシリーズを読んでいたメガネの男性が気になって気になって。





すると私の目線に気がついたのかメガネの男性がこちらを向いた。




メガネの男性「この本、知ってるの?」



さくら「あ、はい!私このシリーズ大好きなんです!」



メガネの男性「そうなんだ。おもしろいよねっこのシリーズ。」




さくら「あ、はい!」





さくら「あの。ちなみにこのシリーズの何巻まで持ってますか?」




メガネの男性「まだこの作品しか持ってないんだよ。欲しくてもこの作品人気あるから買えなくて^^;」



さくら「あのー。良ければ私、全シリーズ持ってるのでお貸ししましょうか?」





メガネの男性「本当に?!ありがとう😊
あ、そうだ!君、お名前は?」






さくら「1-3の 春田さくらと言います!」





メガネの男性「春田さんね。
クラスが1-3なら話は早いね。」





さくら「?」





話が早いって?





メガネの男性「僕は今日から春田さんのクラスの1-3の担任になります。
合田 大和です。今日からよろしくね。」





担任の先生?!




しかもイケメンだし、カッコイイし。






すっごく素敵だし。





















って何見とれてるの私!!
しっかりしなきゃ!って思ってるけど





合田先生が私に向ける笑顔にキュンとしてしまっている私がいる。










しかも、よりによって先生だなんて。













あれから数時間後。
私ははぐれていた友達が見つかり、無事教室に戻ると担任が変わるとクラスで話題になっていた。







クラスの女子「やばい、さっき校門の所で!
かなりイケメンの高身長の男の人がいたんだけど!」





クラス女子「待って、、それって絶対あの噂のあたしらのクラスの新担任だよねっ」











あ、もう噂になってるんだ。







まぁ
あれだけカッコよければ、女の子は噂するよね。












って私、まさか...。






さくらは自分が妬きもち焼いている事に自身では気がついてはいなかった。












前の担任「はーい静かにしてください。
それでは新しい担任の先生を紹介します。
入ってください。」





ガララッ








合田先生「皆さんはじめまして。
今日から1-3の担任をすることになりました。合田 大和(あいだ やまと)と言います。基本本を読むことが好きですね。
よろしくお願いします。」









合田先生が屋上で言ってた通り、私達の新担任として紹介された。






そのあと、授業が終わったあとに話せる時間があればなと思ってはいたのだが、そんな暇などなく。




(何よ!クラスの女子に囲まれて、
キャーキャー言われて。。)















あ、私、ヤキモチ妬いてるの?





この時やっと自分の気持ちに気がついた。









いやいや、まさか。






それでも、やっぱり認めたくはなかったのだ。










でも、こんな気持ち。
胸にトゲが刺さってくみたいな。














あぁ、少しでも話したかったな。




そう思った時だった。



合田先生が私を見つめて口パクでこう言った。



合田先生(また、屋上で待ってて!)






口には出さずそう言った。





私はその言葉を信じて屋上で待っていると。










ガチャっ





合田先生「お待たせ!ごめんね。遅くなって!」






さくら「いえいえ!そんな。いいじゃないですか。私なんかよりクラスの女子と
話している方が楽しいと思いますよ。」






思わずそんなきつい言葉を口に出していた。






合田先生「そんな事ないよ。
春田さんと話しているとほんわかして楽しいんだよねぇっ」





さくら(そういう事言うのやめて欲しい。
勘違いしてしまう。)





合田先生「それと、これからああいう事が起こった時、必ず屋上に集合ねっ」




さくら「えっでも」





すると合田先生は私のおしゃべりな唇に人差し指をあててこう言った。











合田先生「はーい。もうおしまい。
僕が決めたことだから。もう決定。」





さくら「!!!」





ほらね。またそんな事する。



だから私は。頭の中が合田先生でいっぱいなんだ。










それからというもの。
本当に合田先生が女子に絡まれた時は必ず屋上。


あとは何故か流れで放課後時間があれば屋上で2人で本を読む。みたいな日常生活が当たり前になって行った。




そんな生活を送っていると。
先生の生活や性格、趣味を知る事だけでも
嬉しくて。



いろんな仕草をするいろんな表情を見せる
先生の事を
















好きになってしまっていた。












本気で恋してた。








でも、、、
どれだけ私が先生を好きでも。



どんなに追いかけても。





叶わないんだ。













だって私と先生は所詮。。













先生と、生徒なのだから。