今日から梅雨に入ると朝のニュースで言っていた。
外は雲ひとつない快晴で、微塵もそれを感じさせない。
教室の黒板には大きな字で『自習』と書かれている。
周りの生徒は机に向かってずっと手を動かしている。
「はぁ、、、」
自然と溜め息がでる。
ここは私立桜城高校。
スポーツ科、普通科、看護科、特進科の4つがある。
結構有名なマンモス校で毎年競争率が高い。
校舎は3棟あり学年ごとにわかれている。
体育館とグラウンドもいくつかある。
一条 和華-イチジョウ ワカ-高校1年生。
あたしがいるのは特進科。
THE秀才って感じの人しかいない。
うるさいのは苦手だから環境的には問題ないんだけど。
シャーペンが走る音から授業の終わりを告げるチャイム音へと変わる。
その音を合図に周りの生徒は次々に帰っていく。
将来はエリート街道まっしぐらなんだろう。
あたしは今日返されたテストを机の上に並べてみる。
別にナルシストじゃないよ?
でも、返されたテストはオール満点。
一瞬天才かと思ってしまった、、、。