そうして言って安里ちゃんは翔くんの手を握って帰っていった。



いつもは優しい口調の安里ちゃんがあんなに怒るんだもん、翔くんは大事にされてる。



てか、多分ヤキモチ妬いただけだろうけど。




「あの2人、仲良いじゃん。どこが捨てられそうなんだよ」




唯兎くんはそうぼやくと振り返って私をみた。




「大丈夫?」



「…別に、バスタオル巻いてたもん…」





唯兎くんは私の頭を撫でて、ぎゅーっと抱きしめた。




「別に、そこまで気にしてるわけじゃないもん。



男の子に見られたのが嫌なんだもん」



「気にしてるんでしょ。僕だって気にしてるもん」




唯兎くんはそう言って私の肩に頭を下ろす。




「翔が僕より先に果乃の裸見たのがとっても気に入らない」



「ゆ、唯兎くん?」




思わぬ言葉に声が上ずった。




「果乃の裸見ていいのは僕だけなのにね」