そんなことを思いつつも、練習にはげみます。



体力の戻らない私は1時間も経たないうちにリタイアです。




「果乃ちゃん大丈夫かな?」



「あ、はい。体力がなくて…。少し休憩したらまた戻ります」



「そう?無理はしちゃダメだよ?自分のペースで頑張ろう」



「はいっ」




優花先輩はこうやっていつも声をかけてくれる。




私はテニスコートの端っこで体育座りをして休憩中。



こうやって端っこに座ってすぐ隣の男子コートの唯兎くんを見るのが日課です。



ほんとはダメなんだけどね?



なんだか、頑張ってる唯兎くんを見るのが新鮮で。



この目に収めておきたい気分だった。



かわいいなぁ。



しれっと上手だし。



私中学の頃にテニス部入って球技が苦手だったことが判明したから、…どうしてテニス部入ったんだろ。



本当に苦手だなぁ。



でも、唯兎くんに勝ちたいから頑張るっ。