さりげなく勉強会は確定らしい。



「誰かの家とかは?」



「あたしの家汚いから無理ー」



あははっと笑うやよいちゃん。お掃除すればいいのに。




「私の家も弟たちがうるさいしねー」



「ユキちゃんは?ユキちゃーんっ!」




やよいちゃんは大きな声でユキちゃんの名前を呼ぶと、葵衣くんの手を振りほどいてポッキーをくわえながら歩いて来た。




「なーにー?」



「勉強会しない?ユキちゃんの家ダメかなー?」



「勉強会はいいけど、私の家はダメー。


お兄ちゃんが彼女と勉強するからなんなら私が出たい」




もう辛い、と言いたげな目で私たちを見つめる。



「…なんだか、かわいそうだね」



「うーん…、果乃ちゃんの家は?ダメかなー?」




私の、家…。




「唯兎くんに、聞いてみる」



「へ?なんで?」



「あ…」




2人には一緒に住んでること言ってないんだった。