唯兎くんがあからさまに嫌そうな顔をするから少し落ち込む。



やっぱ曲変えよっかな…。




「いや、だってそれ男声域高くない?僕前に聞いたけど難しそうだったし…」



私は唯兎くんを見上げて、お願い、とこぼす。



「…っ、わかった、わかったからそんなかわいい顔しちゃダメ」



そう言って赤く染めた顔を隠す唯兎くん。




「やったーありがとうっ」




そんな唯兎くんを気にもとめず思いっきり抱きつく。




「わっ、もうわかったから。今日は寝るよ…っ」



そう言って唯兎くんは私を抱き上げて、ベットまで運ぶ。




「早く寝なさいっ」



そう言うと、私の手の中のタブレットを充電器にさして、電気を消して布団に入り込む。



唯兎くんはぎゅーっと抱きしめてくれて。




あったかくて、腕の重さが気持ちいい。



そんなことを思いながら眠った。