そう言って私のほっぺをブニブニとつまむ。



「いひゃい」



涙目でそう言うとやよいちゃんは手を離してくれる。



「私はそんなに頭良くないよ。…多分」



「多分とは」



やよいちゃんがじーっと私を見つめてくる。




「中学の頃テストほとんど受けてないから」



えへっと笑うと、みんなはにっこり笑ってくれた。




「じゃあ次のテストに期待だね」



「うん」



すると、教室に男の子が1人入ってきた。



翔くんだ。



「なぁ、果乃」



「は、はいっ」



このお方、私の名字が難しいと言ってずっとお名前で呼んでおられる。



翔くんはどんどんと近づいてきて、とっさに私は立ち上がってユキちゃんの後ろに行く。



「はぁ…わかったわかった、これ以上近づいたりしねぇから」




そう言って止まったのは私の席より2メートル手前。



今の私との間は3メートルちょっとくらい。