とりあえず唯兎くんに怪我はないみたい。よかった。



唯兎くんはどかっとソファに座って身長の割に長い脚を組む。



見ると翔くんは床に正座して反省している模様。



そのまま、近づくのも怖いので遠巻きに会話を聞く。




「だから、果乃はお前のこと怖いって言ってんの。だから帰って」



「俺、行くとこねぇんだけど…」



「家に帰れ。親に謝れ。てか、明日も学校なんだしとっとと帰れよ」



「ウィッス。出直して来ます」



「もう来るな」




翔くんは立ち上がってのそのそ出て行った。




「果乃。出ておいで。見えてるよ」




唯兎くんは私の方を見てニッコリ笑った。



いつもの唯兎くんだ。



ちょこちょこ近づいて唯兎くんのほっぺをつねる。




「いひゃいよ」



「いつもの唯兎くんだ…」



「うん。いつもと一緒だよ?」




私は唯兎くんにくっつく。