「もう、男だから出なかったのに」



唯兎くんの気づかいをなんとなく無駄にして、出て来てしまったらしい。



唯兎くんを見て安心した私は唯兎くんの後ろにくっつく。



そして、イケメンさんを覗き見る。




「何こいつ。同棲中?」



「まぁそんなとこ。翔は何しに来たの?」




かける…。葵衣くんが探してた子だ。



一緒にいたってことは見つけたってことだよね。




「いや、母さんにケンカ売ったらケンカ買われて追い出された」



「いつものことだね。で、来ちゃったのか」




こくりと頷く翔くん。



この子、泊まるのかなぁ。



唯兎くんをつつく。



「ん?」



「この子、泊まるの?」



「んーん、追い返すよ?」




そっか、良かった。




「はぁ?前は泊めてくれたのに」



「今は果乃がいるからだめ。果乃男苦手だから」



「なんだそれ」




翔くんは私を睨む。