そう言って唯兎くんは、パタリとまた寝てしまった。



誰が来たのか、わかるのかな…。





ドンドンドンッ





まだ鳴ってる…。



やっぱ出てあげたほうがいいんだよね…。



怯えつつも、唯兎くんの腕を抜け出して、足音を立てないようにしながら、玄関まで行って見る。



誰かの、人影。




ドンドンドンッ




ひっ。まだやるか。




仕方ないから恐る恐る近づいて、鍵を開ける。



すると、勝手に扉が開いて。



そこにいたのは男の子。




「ひっ…」



「…誰。なんでここにいる」



よく見ると、学校で見たイケメンさん。



それでも男の子ってことに変わりはないから怖い。



男の子を見ると動けなく私としては、できれば目の前から消え去っていただきたい。




「こら。なんで出ちゃったの」




そう言って私の頭を小突いたのは唯兎くん。




「だ、だって、可哀想なんだもん…」