何が起こったのかわからない。



修学旅行から帰って来たら果乃に嫌われた。



僕、何悪いことしたんだろ…。



ため息をつきながら、リビングまで1人、とぼとぼ歩く。




修学旅行の間、家空けちゃったから拗ねてるのかな…。




リビングの開けっ放しにした扉を通ると翔が怪訝そうな顔をする。




「唯兎くん、何その匂い」



「匂い?」



「真宮先輩から、女の子の香水の匂いがぷんぷんしますね〜」




やよいちゃんが僕の服を掴んで匂いを嗅ぐ。




あー…。




「佐々倉さんのかな…?」



「ササクラ?」




佐々倉みやび。



今日の遊園地でつまづいてこけそうになったのを支えたんだけど…、あの時香水の匂いついたかなぁ。




「あ、だから果乃ちゃん拗ねちゃったのか」



「へ?」




秋帆ちゃんは閃いた、と言ったように手をポンっとついた。