唯兎くんの匂いがする。



でも、それより女の子の香水の匂いが強くて…。




「や、っだ、そんなこと、しないでっ」




私は唯兎くんの腕を力の限り振りほどいて部屋に閉じこもった。



私がドアを閉じきる前に見えた唯兎くんの傷ついた顔は頭から離れなかった。