「果乃ちゃん、大丈夫?」



「うん、大丈夫…」



やよいちゃんが伸ばしてくれる手を取って立ち上がると、キッチンまで歩く。



少し、だるい。



唯兎くん、早く帰ってこないかな…。



寂しい…。



私はキッチンに立っている秋帆ちゃんに抱きつく。



結局、手伝いに来たのに秋帆ちゃんの邪魔しちゃってる。




「ん?果乃ちゃんどしたの?寂しくなっちゃった?」




そう言って笑うと秋帆ちゃんは私の頭を撫でる。




お姉ちゃん、みたいだな…。やっぱり似てる。




優しくて、あったかくて、いっつも笑いかけてくれて。




私のことを1番早く理解してくれるお姉ちゃんと同じ。




秋帆ちゃんの背中に自分の顔を押し付ける。




女の子のいい匂いがする。




唯兎くんとはちょっと違う、落ち着く匂い。





「ただいまー」




玄関のドアが開いた音とともに大好きな人の声が聞こえた。