「果乃ちゃん大丈夫？」



「だ、大丈夫」




振り返って秋帆ちゃんに抱きつく。




「ふふっ、果乃ちゃんはかわいいなぁ」




高校入って翔くん以外の男の子に話しかけられたのは初めて。



葵衣くんはいつもそこにいるだけでユキちゃんとおしゃべりを楽しんでるから。




「び、びっくりしたよぉ…」



「そうだね。あんな頭の悪い貼り付けた笑顔のやつなんか無視して走って逃げたほうがいいんだよ？」




なんだか、秋帆ちゃんの当たりが強い気がする。



いつもは優しくて、言葉遣いも綺麗なのに。



なんだか、イケメンさんが嫌いみたい。




「秋帆ちゃんは、イケメンさん、嫌いなの？」




思っていたことを口に出すと、秋帆ちゃんは驚いたように私のことを見て、苦笑いを浮かべた。




「中学一緒だったの。あいつ、いろんな女の子にちょっかいかけるから好きじゃない」



「そ、そうなんだ」