「あ、ごめんね?びっくりさせようと思ったわけじゃなくて」




両手をパタパタと振る男の子。




「今日は僕より早いなぁと思ってね?


お姫様がこんなところで眠ってたから、邪魔しないつもりだったんだけど」




えへへ、とはにかむなんだか格好良さげな男の子。




「…そ、そうですか」




私の声はどんどん小さくなる。



カッコいいけど唯兎くんの方が可愛くて好きだな…。



なんだか、女の子慣れしてるみたい。



私に向かって『お姫様』とかいっちゃうあたりこの人危ない人だ…。



怖い…。



私は仰け反ったまま動けなくなる。



するとイケメンさんはそれに気づいたのか、私と少し距離を取る。




「ごめんね?男、苦手だったよね」



「…な、なんで知ってるんですか…」




しっかり喋ってるつもりでも全然声が出てない。




「え?有名だよ?



1年生のお姫様はとっても可愛いけど、男が苦手だから近寄っちゃだめだよって」