「ありがとうございます。」

お礼を言うとパッと顔を背けて

「いえ!
 すいません、俺なんかが…
 て、手とか、握っちゃって…!」

とおどおどし始める。


「いえ、そんな!
 助かりました、ありがとうございます。」


そう言って頭を下げると
じゃあ... といって帰ってしまう。


なんというか…
変わった人、なのかな?



その場にぽかんと立っていると

「あ、いたいた!
 ごめんね、弥生!」


と走ってきた文月とそのまま帰路に着く。


さっきのことを話すと

「んー、まぁよくわかんないけど
 助けてくれたんだろうね。
 本人もそう言ってるし。

 でも、なんか香坂くんに気に入られてるね!」