そんな発言に驚きすぎて彼を見つめると、視線がほどけなくなり、ドキドキが止まらなくなる。

てっきりいつものからかいかと思ったのに、彼の表情は真剣で、告白されているかのよう。


「なーんて。俺ならシュークリームを大口で食っても叱られないぞ」


やっと酸素が肺に入ってきた。
やっぱり冗談だったんだ。

だけど、いつもとちょっと違う。

私をからかったあとは思いきり笑い飛ばすのが普通なのに、彼は表情を大きくは緩めない。


「いいから、ダブルシュー食っちゃえ。ふたつ食う気なんだろ?」
「かわいそうだから、ひとつ俊介にあげる」


なんだか胸がいっぱいでふたつも食べられる気がしない。


「お。それじゃあ遠慮なく」


彼はやっといつもの調子に戻り、シュークリームを食べ始めた。