仕方なくポケットからスマホを取り出したのと同時に、鍵がガチャッと音を立て、ドアが開いた。

するとそこには上半身裸の俊介がいて、不自然なほどに顔をそむけた。


「な、なんて恰好……」
「悪い。シャワー浴びてて。汗臭いのイヤだろ?」


それにしたって、Tシャツくらい着てから出てきてよ。
一緒に寝た幼稚園の頃とは違うのよ?


「イ、イヤだけど」
「もしかして、照れてる?」
「そんなことない」


部活をやっていて汗だくになると、外でTシャツを着替えることもあるような人だから見慣れているはずなのに、どうしてだか恥ずかしくてたまらない。

髪から滴る水滴が妙に色っぽいからなのか、先ほどから彼を意識してしまうような発言を連発されているからなのか……。


「とにかく入って。先に二階行ってて」


そう言い残し、彼が中に引っ込んでいったので、私は一目散に俊介の部屋を目指した。


もう来慣れた部屋は、全体的にブラウンで統一されていてとてもおしゃれだ。
昔は青系でそろえられていたんだけど。