「ただいま」 玄関を開けて靴を脱ぎながら言った。 「おかえりなさい、遅かったわね」 帰るのが遅くなったから心配したのか、今日はお母さんが出迎えてくれた。 「あ、ごめんなさい、せ、先生に頼まれちゃって!手伝ってたの」 また一つ嘘をついた。 わかってる。 でもね、こうでもしないと私が今にでも泣いちゃうから。 「そう、お風呂沸いてるから先入っちゃいなさい」 「はーい」