イルカショーも終わり、見る前にポンチョを買ったところに戻って




私達は、タオルを買った。




髪が濡れてちゃ、風邪ひいちゃうもんね。




私は、タオルで髪をはさみ、水気を取った。




「あ……」




小声で呟いた。




「ん?どうした?」




隣で私の小声を聞いていた




晴翔くんが聞き返してきた。




「ペンギン、先に見に行けばよかったなあって、思って。

髪濡れたままペンギン見に行ったら、絶対寒いし風邪ひきそうだし」




私がそう言うと




「えー、ペンギン見に行かないの?」




明莉はしょんぼりした顔で、少し残念そうに言った。




明莉も楽しみにしてたようだった。




「少しくらい大丈夫だろ」




吉澤くんは行く気らしい。




「うーん。どう、しよっか……?」




タオルで髪の水気を取りながらなので、少し上目使いになりながら




晴翔くんの目を見てそう言った。




「見ない方が絶対、損する気がする」




晴翔くんは私から目を逸らして、そう言った。




なんで今逸らしたんだろう。




なんかちょっと寂しいな……。




なんて考えていると




「じゃあ、今すぐ行こう!もう行こう!!」




明莉は勢いで走って行こうとするので





「待って、そんな先に行くと追いつけない、迷子になるよ」




そう言うと




「もう、迷子にならないよ!

小さい頃とは違うんだから!」




小さい頃……。




懐かしいなあ。




そう思いながら




私達は、ペンギンのところに向かった。