「なあ、椿」 「なに、?」 「これを機に、名前で呼んでくれない?」 「名前?」 九条くんの下の名前は…… 「晴翔くん…?」 「あー、やっべえ、思った以上に名前で呼ばれること恥ずかしいわ…」 九条くん……いや、晴翔くんは初めて私が下の名前で呼ぶと、急に恥ずかしがって顔を赤く染めていた。 赤く染まると言えば……、やばい。 外は綺麗な夕焼けどころか、結構日が落ちてきていた。 部活動の人も終わって、帰っていく人が見えた。