「ほら、授業始まるよ」




「あ、うん!」




私たちは、午前中の授業を受けた。




お昼の時間になり




いつものように、明莉がパンをくれた。




「遅いね……。

吉澤くんうちのクラスに迎えに来るんだっけ?」




「来るはずだけど……」




ガラガラ




その時、ドアが開いた。




「椿〜、一緒に食べようぜー」




「あ、うん!」




「おっ、今回は良かったじゃん。行ってきな〜」




と、小声で言われた。




「そうだね。ありがとう」




私も小声で返事をした。




「どこで食う?」




「うーん……コーヒー牛乳買いたいから外の方がいいかも。

でも外って寒いよね……。どうしよ……」




「じゃじゃーん!椿、これ見て。俺が買ってきた」




「えっ!?わざわざ買ってきてくれたの?」




「この前、保健室に置き去りにしたまま

俺、帰って来れなかったろ?」




「うん……。帰ってこなかった」




「その時はごめんな。

言い訳みたいになっちゃうかもだけど、担任に捕まっちゃって

いろいろ借り出されてたんだ。

だからそれのお詫びと言っちゃなんだけど……」




そっか。気にしてくれてたんだ。




「うれしいよ!!

ありがとう!私はこれで充分だよ!!」




私、単純だなぁ……。




コーヒー牛乳もらっただけで、許しちゃうなんて。