次の日、和輝くんが待ってる歩道橋




「おはよ」




と、私が声をかけた。




「あぁ、おはよ」




いつも携帯触ってる……。




誰と連絡取ってるのかな。




「行こっか」





学校まで短い距離、一緒に行くことに意味があるんだろうか。




前までは、少しでも長い時間一緒にいたい!




なんて考えていたけど……




好きって感情 意識しなくなると、こうなるものなの?




「どうした?」




私が下を向いて歩いていたせいで、和輝くんに不思議がられた。




「なんでもないよ?」




これ以上不思議がられないように、少し笑って見せた。




歩道橋から学校が近いので、あっという間についた。




「またあとでなー」




「またね」




「なんか、ドキドキしない……」




と、小声で言った。



いつも、心臓バクバクで話してたのに。




どうして?




今までのは思い込みだったの?




下を向いて、和輝くんに対しての気持ちが整理つかないまま




ぼっーと、クラスに入った。





「つーばーき!おはよ!」




「椿ってば!」




「……んえっ?なに?」




「さっきから話しかけてんのに」




明莉が話しかけて来てたらしい。




なんで私気づかなかったんだろう。




「あっ、ごめん。気づかなかった……

怒ってる……?」




「ううん、怒ってないよ。

どうせ吉澤くんのこと考えてたんでしょ」




「…………バレた?」




「すぐ分かるよ。私を誰だと思ってんの!」




「長年一緒にいる幼なじみの明莉ちゃんでしたね〜」




と、少し茶化した。




「明莉ちゃんって、なに!ちょっとばかにしてない??」




「してないしてない」




「本当?」




顔を覗き込んで私を見てきた。




「ほんとほんと」




そう言いながら私は、目をそらした。




「嘘だね。今、目そらしたから!

嘘つく時とかごまかす時

たまに目そらすの知ってるんだから」




「えっ、私そんな癖あるの?」




自分も知らなかった。




無意識にやってたんだ。