「お母さんもいるようだし、今日はひとまず帰ろっか)




「そうだね」




私達がそう話していると




「さっきの、お母さんじゃないよ」




と、晴翔くんが言ってきた。




「えっ、お母さんじゃないの!?」




「俺と4つ歳が離れた姉ちゃんだよ」




「そうだったんだ……?」




あまりにも、話し方が綺麗だったから




てっきりお母さんだと思い込んでいたのだ。




「いいお姉ちゃんだね」




「何でも出来てかっこよくて、俺の憧れの人なんだ」




「そんなにすごい人なの?」




「ああ、勉強も出来るし部活だって両立して頑張ってた

今は大学に通ってて、どんどん綺麗になるし

気配りだって出来るんだ」




晴翔くんは、自慢げにお姉ちゃんのことを話すと




疲れたのか、すーすーと寝息をたてて眠ってしまった。