「聞いてますか?望様っ!!」
「お前・・・・相変わらず煩いな」
「望様が子供すぎるからです!!」
「少し・・・・・黙れ」
引き寄せた体は相変わらず小さく細いと思う。
いつ触っても細く柔らかい髪が頬をくすぐる。
そして香るのはいつだって石鹸の様な柔らかい匂い・・・。
「望さ・ま・・・」
「黙れ・・・何度も言わせるな馬鹿女・・・」
「あ・・・んっーーーーー」
この唇は・・・・・。
酷く気持ちよくて癖になる。
ムカつく言葉ばかりを吐くくせに、
触れれば俺に安堵を与える。
四季は・・・・・・出会った時から
いつも驚く物を俺に与えてくるんだ。
「・・・っ・・はぁ・・・ん・・・・・・」
キスにさえ予備知識のなさそうな四季の反応に思わず眉尻を下げ口の端を上げる。
受け身のキスは幼さを感じさせ、必死に呼吸を挟む姿に心臓が強く跳ねた。
啄んで深くなり過ぎないキスを程よく切り上げ顔を離せば、それは見事に赤く染め上がった四季を捉えニヤリと笑う。
「黙ったな」
「そ、その為のキスですか!?」
「さぁ?どういう理由がご希望だ?」
「女性を悪戯にからかうのは紳士じゃありませんよ望様!!」
「・・・・また、黙らせるか?」
「・・・・遠慮します」
そう言ってあからさまに赤い顔を横に背け俺の胸を押し返す四季に、久々に優越感が舞い戻る。
ここまで俺に怯むこいつは久しぶりだとニヤリと笑うと、四季が指摘されたくないであろう所を躊躇いもなく突いてみる。
「・・・・香水が・・・嫌ね・・・」
「・・・・嫌いです」
「それは・・・・・俺が、他の女の移り香としてつけてきたからか?」
意地の悪い言葉で追い詰めたと悪戯に笑うと、すっかりこの馬鹿女の本領発揮を忘れ足を掬われる。
俺の言葉に驚いた表情でこちらを見ると相変わらず外さない言葉が向けられた。