女って、つくづく面倒な生き物だと思って落胆し手放したくなる。





そうやって、





何人の女とその熱や快楽を共有して捨ててきたかな。














「おい・・・、どういうつもりだ」



書類片手に苛立ちながら声を響かせる。



「・・・・・・体調悪いんです」


「体調悪いで突っぱねて簡単にサボれるほど仕事は甘くないぞ四季」


「・・・・・・」



勘弁してくれよ・・・。


昨夜の事なんかすっかり忘れ普通に起き普通に会社に行った。


そう普通に・・・。


それこそ長年繰り返された当たり前の日々を取り戻したように自分のペースを乱されることなく。


でも不意に気がつく違和感が僅かなる日々の影響を自分の身に当たり前として刻み始めてたんだ。


その違和感の正体に誤魔化しきれなくなったのは昼ごろだった。


スムーズに仕事してパソコンの画面を見つめその難しい文字の羅列に目を細めた瞬間にフラッシュの様に眩く感じた。



「静かだ・・・・・・・」



なんてありがたい事で、なんて物足りない事だろう。


馬鹿らしい。


ありがたい一色の筈じゃないか。


そう思ってカチャカチャとキーボードを叩く音をオフィスに響かせる。


集中できるのもこの職場だけだと一心に集中し始めた筈なのにこれまた予想外に感じる胃の不快感。



「・・・・・・腹減った・・・のか?」



半信半疑に呟いたのはあまりそう言った感覚を持った事が無かったからだ。


今までの生活では食べる時もあれば全くと言って食べない日もあり、それに対してこんな違和感を感じた事もなかった。