「ごめん、別れよ」

私は彼にそう告げた

って言っても自分で言う勇気がないから手紙だけど…


「…わかった。俺が悪かった。ごめんね」

っ…。そう返ってきた手紙

違う…悪いのは私

傷つけた…そんなつもりじゃなかったのに

後悔してももう遅い

でも別れを告げたのにも理由があった

その理由を話したところで綺麗事で終わるだけ

誰かに話せるときが来るのかな?

自分から振っといてまだ好きだなんて言えるはずがないのに

「紗恵ー、おはよ!」

「あ、未悠、真央おはよ!」

私は神崎紗恵(カンザキサエ)中1の13歳

こっちは未悠(ミユ)と真央(マオ)

「紗恵元気なくない?」

「あ、昨日別れたのか」

未悠と真央には別れたことだけ言ってホントの理由は言ってない

てか、誰にも言ってない

みんな私が嫌いになって別れたと思ってる

うちがそう言ったから。つまんないとか、あきたとか

でもそれは忘れるための言い訳

本当はそんなこと思ってないのに…

教室に入ると

「おはよう!紗恵!」

「花菜(ハナ)おはよ!」

支度をして席についてボーッとしてるとある人が目に入った

っ…!

和哉…

私の元カレの和哉(カズヤ)

同じクラスだから気まずい…


朝の会が始まって先生の話になった

「えっとー、昨日きいた後期の学級委員の推薦で票が多かったのが
女子は…紗恵。男子は…和哉!2人にお願いできる?」

まじか…。しかも和哉と…

多分別れたのを知らない男子達がわざとうちらがなるようにしたんだと思うけど

しょうがないか…

もしなんかいいことあったりしないかな…なんてね

しばらくたったある日

給食で2つ同時に配膳したたとき

あ、やべ、重っ!

どーしよ

ん?なんか軽くなった

見上げるとそこには真助(シンスケ)が立ってた

「1個持つよ、どこ置けばいい?」

「あ、ありがとう!そこ置いてー!」

真助は和哉と仲がいい、いつも一緒にいる

優しくね?

悩んでたりする時に優しくされると女子は惚れるんやで!

って、なに弁?笑


その日から、真助はチャットで相談に乗ってくれるようになった


話してるうちに好きになって告白したら付き合えた

そうすれば和哉の事は忘れられる

そう思ってたのに…

最初のうちは楽しかったけどふとした時に頭に浮かぶのはやっぱりあいつ

だんだん真助に対する態度も冷たくなっていった…

「ねぇ、うちらってさ付き合ってるって言うより友達みたいだよね」

ふと思ったことを言った

「は?なにそれ、付き合ってるわ」

真助はいつだって優しかった

こんなこと言っても怒らないし

でもうちにはそれじゃダメだった

それからうちは未悠に相談するようになった

「どうしよう…。うちって結構最低な女だよね」

「…うん、それは否定できない」

うっ…なんかグサッとくるな…

「でも別れた方がいいんじゃないの?ずっと付き合っててもお互い辛いじゃん」

確かに…

でも…自分から言えない

自分から告って振るって…2度も同じことしたくない

和哉のときもそうだった

小4の時にまだ心も幼かったころにした恋

勇気を出して告白した

OKもらった時は嬉しすぎて…

それでいっぱい遊んだ…

でも…

2度も同じことをしたくない

うちは自分から振る勇気がなかった

作品を評価しよう!

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作品のキーワード

この作家の他の作品

1番大切な君へ

総文字数/37,446

恋愛(キケン・ダーク・不良)91ページ

表紙を見る
この瞬間も、君と一緒に

総文字数/5,106

恋愛(ピュア)11ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア