「お前、そんなついて回って新池もよく受け入れてるな。…って、知らないんだっけか、お前のしてること」


「琴音はウブだからね。加えて小さい頃からずっと一緒に育ってきたんだ。洗脳するにも苦はなかったよ」


「だから怖えって。本気か冗談かの判断を俺に委ねんなよ」



委ねているつもりは全くもって無いのだけども。


この場での僕の意見は本気と冗談が五分五分あたりだろうか。


いや、若干本音が上回っている。




「にしても、そこまで信じられるってのもすげぇな」


「え、琴音?」


「いや、お前が」


「誰を信じる?」


「新池だよ」


不思議だ、と首を傾げた後に合点がいった。



つまり、僕が琴音を絶対的に信用しているから何をするにも疑わないと言いたいのだ。


まったく、見当外れな推測だ。