どこか不安定で不完全で未成熟で。
そんな琴音の全部にそそられる。
外だけじゃなくて中も見たい。
内臓全部かき出した後に、存分に欲求を満たしてから僕の体の糧としたい。
でもダメだ。
琴音は一人しかいなくて、殺したら琴音には会えなくなる。
だから、我慢しないとね。
*
「ということで今日も琴音は可愛いんだよ」
「……ここまで健全に病んでる事あの子は知らねぇんだよな。不憫だわ」
「何を言うのさ、これは純粋な愛だよ」
この想いを誰かに言わずにはいられず、学校に着いてから友人の遠矢雅樹(トオヤ マサキ)に報告していた。
僕のおそらく普通でない琴音への執着を知っている数少ない彼は、興味なさそうに頬杖をつきながらため息をつく。