海堂大学付属病院、あの日美月が入って行った病棟。そこにきていた。
内藤 紅音 様
ネームプレートの下で眠るのは、よく知った顔。
「この子、私の妹。」
ダメだ、わからない。
俺には難問すぎる。
「病気でね、2年前に倒れて、ずっとこのまま。」
なにしてんだよ、、、なぁ、、、アカネ。
病院の広間に場所を移して、再び向かい合う。
「ごめんね。今まで秘密にしてて。」
「いや、うん。言いにくいのはわかるし。」
話が入ってこない。
あの病室で、いくつもの管に繋がれて眠っていたのは、確かにアカネだった。
いつもきているセーラー服はベッドの横に、千羽鶴とともにかけられていた。
まだ着られた様子のない、ピシッとした制服。
なんでアカネがここにいる?
アカネが美月の妹?
アカネが、、、病気、、、?
「脳の病気でね。もう目覚めることはないだろうって言われてるんだけど、私も両親も、受け入れられなくて、、、。もう2年も、延命治療を続けてる。」
「あ、、、そう。」