「あの人を警察に突き出そうか、迷っててね。」

「どうして迷うの?まさかまだ、、、」

「愛なんてもうないわ。憎しみしかない。でもね、あの子が死んでまで隠していたことを公にするのが、、、気が引けるというか、、、。」


おばさんの目に再び涙が浮かぶ。


「どうして言ってくれなかったのかなぁ、、、美咲さえいてくれたら、それで良かったのにね。どうしてあんな男を、、、愛してしまったのかなぁ、、、。」

「おばさんは、悪くないよ。」


おばさんをなんとか説得して、ノートは警察に提出した。
男は逮捕された。


警察も、美咲の身体に残った無数の痣を不審に思っていたらしい。

真実はどこからか噂になって、すぐに広まった。

あぁ、だからおばさんは迷っていたのか、、、と思い知る。
他人事であることの恐ろしさを。