中2の12月、世間がクリスマスに浮き足立っている中、美咲は死んだ。
自宅マンションから飛び降りた。
自殺だった。
美咲の家には、あれから毎日行っていた。
ただその日だけは、マンションに停まっている救急車と、人だかりに呑まれて、美咲の家の玄関まで辿り着けず。
遠目に見えたのは、泣き崩れる美咲の母親と、毛布がかけられた何かだった。
翌日の学校にはマスコミが押しかけ、それぞれの担任から美咲の死が伝えられ、形式的ないじめ調査が行われた。
もし本当にいじめの事実があったなら、、、絶対に許さない。
そう思っていた。
なのに、、、、、
真実は、あらぬところからこぼれ落ちた。
12月31日、大晦日、私は美咲の母に呼び出されて、美咲の家に行った。
「、、、あれ?おじさんはいないの?」
「あの人とは、別居しているの。」
なんでまた、こんな時に?
思ったけど口には出さなかった。
美咲の母の手が震えていた。
「どうして、、、あの子を殺した男なんかと、、、っ」
絞り出すような声で言う。