「あぁ、うん。普通に面白かった。」
「ふつーにって何よ!あのアニメはねー…」
と、語り出す口が止まらない。
「なんだ、アカネも好きなのか。」
「アカネ“も”って…?」
「美月の妹も好きらしいんだよ。」
「一緒だー!」
アカネが楽しそうに笑う。何がそんなに楽しいんだか。
「俺は今アニメどころじゃねーんだよな。」
美月の隠し事が、少し見えてきた。
それは想像以上に、知るのが怖いことだった。
「ねぇ玲くんお願い。」
急に真剣になったアカネが、俺の手を握る。
「玲くんが、美月ちゃんの道標になって。美月ちゃんが、これ以上道に迷わないように。、、、お願い。」
「道標、、、俺が?」
言うと、アカネがスッと消えた。
いつも通り、目覚ましの音が鳴り響く。
ベッドから起き上がり、頭をかいた。