「玲、帰ろ。」

「おー。」


美月の栗色の髪が、初夏の風になびく。


「暑いねー!もう夏だよー。」

「だな。夏休みさ、行きたいところとかある?」

「うーん、いつも通り近場で遊ぼう。」

「美月は欲がねーな。」

「そうかな?」


周囲に人がいないことを確認して、キスをした。

フワッと香る甘い香水の香り。すきだ。



「そんな美月が好きだよ。」


美月がケタケタと笑う。


「やー、何いきなりw」


その笑顔の裏に、一体何があると言うのだろう?