俺も何も深くは聞けない。
美月が、そこに触れて欲しくないのなら、俺は何もできない。



3限が終わって弁当を広げる美月を見ていた。


「手に入れてからも焦がれてるって感じだな。」

「うるせ、目ぇ離すと男がたかる。」

「イケメン玲くんも、内藤さん相手には必至ですなぁw」


本当は一緒に食べたいけど、友達との時間も大切だし。そこは譲ることにしてる。


「美月のやつ、また痩せたか?」

「あ?そんなことねーだろ。」


どうせテキトーに聞き流してるコイツの意見はどうでもいい。


「美月ちゃん、明るく振舞ってるけどたまに陰見せるもんねー。心配になるのわかる。」


女友達の舞がそう言って寄ってくる。

その通りだ。


「ちゃんと守ってやれよー、イケメン玲くん。」


「うるせぇ、俺だって守りてぇよ。」