今の時刻は、ちょうど16時。


『ピコン』


あ!またきた。


「ご、ごめんなさい!ちょっとだけ、待ってくださいね」


そう、断ってからスマホをみたんだけど、やっぱり気に入らなかったみたい。


「ふざけてんじゃあ、ないわよぉおっ!」


ブンッ!!

「きゃあっ!」


飛んできた平手を寸前でよけると、それと同時に数人の先輩がつかみかかって来た。


「何回言えばわかんのよ、あんた!」

「ホントに懲りないオンナね!!」

「朝帰りだよこいつ!」

「学校までオトコに送ってもらって!」

「最っ低!」

「でも、すごかったよね、あの車!」

「私、中の人みたよ!超カッコよかったぁ!!」

「ホント?どっかのオヤジかと思ってた!」

「何なのよ、このオンナ!」

「マジ、むかっつく~~~!!」


言いたい放題、言われた上に、


「いたっ!!」

いいい…痛い痛い痛いっ!!


「髪引っ張んないでよぉお!!」


口答えは、かえって面倒なことになるのは、経験済み。

おとなしく聞いてればいいやって、思ってたけど、

さすがに、こんなのひどいじゃん!


『ピコン』


もみくちゃにされながら、スマホ画面をチラ見すると、

・・・・・・・・・・・・・・・
佐々

今から迎えに行く

・・・・・・・・・・・・・・・


「ええ~~!?」


学校にってこと?

ダメダメ!そんなことしたら、学校中の人に見られちゃう!

現在進行形で、今朝のコトが呼び出し案件になってるから!


「あ!!先生~~~いっ!!」

「えっ!?」


ドンッ!!


先輩が一瞬怯んだその隙に、力いっぱい突き飛ばす。


「先生なんて、どこにいるのよ!」

「あ!逃げた!待ちなさいよっ!!」


そんな無茶な!待てと言われて、待つわけないじゃん!!

こんなことしてる場合じゃない!

急がないと、

佐々くんが来ちゃう~~~っ!!