ガッシャーーン!!



瞬間、目を閉じる。


――痛っ!!

……く…、ない……?


「あ…あれ?」


恐る恐る目を開けると、彼女の、どアップ!!

バランスを崩した私のカラダは、前にいた彼女を押し倒しちゃったみたい。

彼女のやわらかいカラダの上に、ちゃっかり乗っかってる。


――うわぁ……本当に“お姉さま”だわぁ~


なんか、ドキドキしてきちゃった。


「ご…、ごめんなさ…ぃ」


慌てて謝るケド、彼女と視線が合わない。

どこ見てるの?

彼女の視線は、私の背後で固定されてた。


「……?」


――……あ…


ふわり……

知ってるコロンのかおり……


……と、


「わりぃ、手ぇすべった」


よく響く、低い声。


――ドクンッ!!


心臓だけじゃなく、体も跳ね上がる。

脈がどんどん速くなる。


うそっ…

うそデショ!?

なんで、ここにいるのぉ!?


全身から変な汗が吹き出てくる。


さっきの子はどおしたのよぅ!!

そ、そおだっ、

と…とにかく、逃げ……逃げっ…



その時、ようやく彼女を視線が合った。

お姉さま…が、私のことガン見してる。


「…ねぇ…あんた…」

「…へ…ぇえ?」

「…顔、真っ赤だよ?」

「ひゃぁ、きゃあぁぁぁああ!!!!」


後ろから、震えあがる、ドスのきいた怒鳴り声!



「何やってんだっ!花美ぃっ!!」



さ…ささささ…

佐々くんだあぁぁああっ!!!!