「ご、ごめんなさい…」

目の前には、茶色く焦げたオムライス。


「仕方ないよ。
それに、失敗する梨乃も可愛い。」

そんなこと言ってクスッと笑う功は、
そっと私の頭を撫でる。


「ありがとう、功!
さすが優しすぎる自慢の彼氏さんだね!」


「そうだね、
じゃあ梨乃は自慢の可愛い彼女さんだ。」


「て、照れるなぁ〜」


「もしかしてさ、
まだ海斗兄さんの事気にしてる?」



今度は心配そうに私の目を見つめる功。

「え?」

「やっぱり、心配でさ、、」



「あーうん!大丈夫だよ。功がいるだけで、私は十分!
でも…たまに兄さんが寂しそうに見える。」



「寂しそう…か。確かに、なんでも一人って感じがする。」


「そうなの。距離を置くっていうか…
ごめんね!暗い話で…」

「ん?全然。」

満更でもない様子の功。
心が広くて、頼り甲斐のある頼もしい功。


オムライスはちょっと苦かったけど、中はとっても美味しかった。