学校に着けば、早苗と挨拶を交わす。

「おはよう!」

「うん、おはよ!」


「あ、梨乃…ちょっと話できる?」

「え?うん。どうしたの?」


一瞬で顔色が変わった早苗…
何かあったのか?


そして私は、廊下へと移動する。

「何か…あったの?」

「振られたの。」

「えっ?振られた?役割を?」


「え、梨乃って馬鹿だっけ?
違うよ。功くんにだよ。」


「え?早苗…?」

「そろそろ限界で、功に昨日の合間に告白したの。でも…ダメだった。」


「い、いつの間に……?
ダメだったって…じゃあ……。」


「だから、安心して?
私はここできっぱり諦めるから。」


早苗が…功に、振られた?


あんなに綺麗で、功と仲良かった早苗が?


きっと傷ついたに違いない。ははっと笑ってのける早苗は、とても寂しそうに見える。



功の話をすれば、
あんなにも顔を赤らめて、
ずっと一途に思ってきたのを知ってるから。


「何言ってるの?安心できるわけない。
早苗…よく頑張ったね。辛かったね…。」


そう言って、健気な早苗を抱きしめる。



「梨乃…あんたって、本当いい奴。
うぅっ…私だって、辛かったんだよぉ…」


そう言って肩で泣く早苗。


「もう!功のバカァ!
何で誰とも付き合おうとしないの…」



私はそう呟く。
こんなに女の子を泣かせてるのも知らず、
君はどうせ教室で寝てるんでしょ?




ねえ、功。
君の好きな人って誰なの?