館内に戻れば、

「とばちゃんどこ行ってたの?
え、泣いてる!
私厳しくしすぎたから、ごめんねっ」

と、心配してくれいた模様。

「ごめん、私こそ勝手に抜け出しちゃって。
でも功が慰めてくれたから、
もう大丈夫だよ」


「功…くんが?」


あ、言っちゃまずかったかも…


「ううん。何でもない。早苗の気にすることは何にもないから、…」


慌てて言葉を濁していく。


「梨乃。後で少し話せる?」


今度は、真剣な顔でそういう早苗。


「あ、…うん。」


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その後は全力で練習して、
なんとかチアの部分のおおよそを掴むことができた。

体が柔らかい方だったから、それだけが私の救いだ。


そして、早苗の言う「後で」となった。


「功、ごめん。
早苗といるから、先帰ってて。」


「ん。分かった。」


そう言って功に断りを入れ、私たちは休憩室でもある部屋のベンチに腰掛ける。