「梨乃…。僕は……。
ううん、何でもない。ごめん、今のは忘れて。」


功は何かをパッと切り替え、私から離れる。


その瞬間、自分の周りから温かいものを剥がされた気がして、不安を覚えた。


「ちょ、功!待って!」


そんな私の呼びかけも無視して、功は私の部屋を出て行った。