「…のちゃん。おーい、…梨乃ちゃん!」


「…っえ?」


「え?じゃなくて、どうした?考え事?」


心配そうに私を見つめる阿久津先輩…
か、顔が近くて…めっちゃ肌綺麗。

それは思わず見とれてしまうほどだった。




「ああ、何でもないです。
それより私、バスケ部のマネージャー、やらせてください!」


私は即座に距離を置く。


「本当に?良かった。
これで俺も梨乃ちゃんと仲良くなれる。」


「先輩、本当に私の事が好きなんですか?」


「え?うん。
あ、もちろん女の子としてね?」


「私を懲らしめるためじゃなくて?」


「ははっ何それ、違うよ。梨乃ちゃん、話してみると可愛いとこあるし、そういうの俺弱いんだよね。」


そう言って先輩は笑ってみせた。

その笑顔は、なぜか嘘っぽくなかった。