「功くん、お疲れ様!」


早苗が功にタオルを渡す。

お、早苗が頑張ってアピールしてる。
私はそんな事を思い少し遠くでそれを見守る。


でも、


何でだろう。



普段はあんまり女子と話そうともしない功が、早苗と楽しそうに小話をする。


それを見て私は…
胸のあたりがぐっとなった。


締め付けられて、うまく呼吸ができなくなる感覚……



これは…嫉妬。見覚えのあるこの感情。

その意味は…?


“独占欲”



ふと頭に浮かぶその言葉。
でも、ぶんぶんと首を振って自分で否定する。

だって私は功の幼馴染という特等席があるのだから。

そんな事ない。


でも彼女というものができたらその特等席はどうなるの…?


そんなものが頭をよぎる。



もうこんなのはやめだ。
即座に色々考えてしまう癖を私は一時的に封印した。