いつものように慣れた足取りで、
合鍵を使い功の家へ入る。
ちなみに功をよろしく頼むとご両親から合鍵を預かっている。
功の部屋へと向かい
「功!朝だよー、おーい起きてー!」
そう言って
功の肩をゆさゆさと揺さぶる。
功はそうすると案外早く眼を覚ます。
これは長年幼馴染をやっているからこそ
知っていること。
「んーっ 、梨乃。おはよ。」
功はのんびり背伸びをした。相変わらず細くて白い腕。
「うん。おはよう。さ、早く朝ご飯食べて支度して?今日は入学式なんだから。」
2回目になるけど、今日は入学式なんだ!
「やだ。」
そう言ってまた寝る功。
「え?何言ってるの?だって入学式だよ?」
功の口癖は
やだ、めんどい、眠い、疲れた
の四つ。
この言葉に何年悩まされてきたことか。
「もうっ!とりあえずご飯食べてきて?その間にカバンとか用意しとくから。」
「ん。…眠い…」
功はくわぁーっとあくびをした。
そうしてる間に急げって言いたいけど、言えない私は功に甘い。