「ねえ、梨乃どこ行ってたの?」


「えっとね、プリントを職員室に。」


「ふーん。ねえ梨乃聞いて、」


「何々?」


「さっきこのピアス綺麗だねって褒めてもらえたよ。」


功が自慢げに見せたのは私が去年の誕生日にあげた、シルバーのピアスだ。


試行錯誤して自分で作った一品。私はピアスの穴を開けてないから、

それをチェーンに通してネックレスとして制服の下にいつもつけている。


これからも一緒にいようねって
意味を込めて。


「うん。よかったね功。誰が褒めてくれたの?」

「江崎さん。」

「そっかあ。良かったね!」


そうして嬉しそうに話してくれる功が私はすごく好きだ。


もちろん癒されもするし、功は私にとって特別だから、ちょっとした優越感もある。


その特別とは、何か。
そんなの考えたことなかった。