功のお膝にちょこんと座り、一緒にオールを漕いでみる。


「ね、功!漕げたよ!私、出来た!」


「うん。上手。」


でも…背中に直で功の熱が伝わるし、
握られた手も熱い。


「梨乃の良い匂いがする。」

功はそんな事を言って、
私の肩に顎をのせるし…


「功が…甘い…。」


「そうかな?照れてる梨乃可愛い…。」

ストレートだなぁ、


「ねえ功、いつから私の事好きだった?」


「…。」


「ね、功?聞いてる?」

後ろから聞こえてくるのは、
すー、はー、すー、はーという規則正しい息の音。

まさか…


「寝てるし…、」