文化祭…楽しかったなぁ、なんて終わった今でも感傷に浸っている。


「梨乃、ね、聞いてる?」


「えっごめん、聞いてなかった。」


心ここに在らず。その言葉がしっくりくる。
だってもうイベントないんだもん。


次のイベントといえば、クリスマス。
あと3ヶ月もある。


「全く!」

「どうせ早苗の惚気でしょ?もう聞き飽きたよ。」


ずっとあの西田くんの告白を無限ループに自慢する早苗。


嬉しいのはわかるよ。でもそれにも限度があるんだよ。



「ひっどーい!あの告白はやばかったんだからね、」


「うん知ってる。ていうか私も聞いてた。」


「はっ!?そうなの?」


「ついでに、功もね。」


「えー!じゃああの後チューしたのも?」


「うん。」


「は、恥ずかしい…。」


「でも幸せそうで何よりだよ。」


「じゃあ梨乃は?」


パッと話を切り替えた早苗。

「えっ私?」


「そう。功くんとデートとかしないの?」


「そういえばお祭り以来してないなぁ、
この前も言ったけど、お家ばっかだし…
それに功はすぐ寝ちゃうし…」


「あらあら、色々不満が出てきましたね。
梨乃さんは欲張りですね。」


「そーですよ。私も欲張りなんです!」


「じゃあ誘ってみなよ。
お願い!一度でいいからデートして!
って。」


「んー、わかった!してみるね!」